Concept
初めまして、大阪西区のnea Guitar Schoolと申します。
こちらのページではスクールのコンセプトをもう少し詳しくお伝えできればと思います。
ルーツから始めよう
ここ数年、「ネオソウルギターが弾きたくて」と習いに来る方が増えました。
エリカ・バドゥやディアンジェロなど初期のネオソウルには、あまりギターは入ってなかったんですよね。
ところが2010年代以降、アイザイア・シャーキーやトム・ミッシュなどのギタリストが現れ、
「ネオソウル・ギター」というジャンルが確立してきたように思います。
とてもカッコいいし、新しいスタイルのアプローチですよね。でもまた同時に、
「ネオソウル」というくらいなので、David.T.WalkerなどのR&B系のギタリストや、
コードに関してはジャズのヴォイシングが土台になっていたりします。
ジャズギターも、近年の人、例えばジュリアン・レイジなどは、
もちろん古典的なビバップ・ジャズ、そしてクラシックの影響も大きいですが、
同時にカントリーや、ライ・クーダーなどのアメリカンルーツミュージックの匂いも感じられたりします。
ジュリアン・レイジより前の世代のジャズギタリストの代表といえば、パット・メセニーとジョン・スコフィールドですが、パットもやはり古典的ジャズと並行し、カントリーやフォークなどのルーツミュージックを感じさせる部分があります。ジョン・スコフィールドはブルースからの影響が非常に大きいですよね。レイ・チャールズのトリビュートアルバムを出したりミーターズのメンバーと共演したりと、ゴスペルや南部ソウルの影響も色濃く感じられます。
00年代に現れた最も個性的なロックギタリストの一人であるジャック・ホワイトのデビューアルバムには、ロバート・ジョンソンとサン・ハウスのカバー曲が入っていたことに、多くの人が驚きました。2ndアルバムではブラインド・ウィリー・マクテルのカバーも入っていました。
21世紀になってもなお、1920年代の楽曲がカバーされ、そしてそれらが「新しい音楽」として世界の人々に受け入れられたことは、とても驚きです。
同じく2000年代ごろから頭角を表したデレク・トラックスはもちろんデュアン・オールマンやエルモア・ジェイムスなどブルースギターから大きな影響を受けていますが、そのデビューアルバムにはジョン・コルトレーンやウェイン・ショーター、マイルス・デイビスら、ジャズのスタンダードが多くカバーされていたことにも、また驚かされました。
思えばエリック・クラプトンの登場は、白人、それもアメリカ人でなくイギリス人の若者がロバート・ジョンソンやスキップ・ジェイムスのような古いブルースを掘り起こし、かつそれらを全く新しいアプローチで演奏するというムーブメントでした。
ジミー・ペイジの最大の特徴は、ブルースに加え、アイリッシュフォークやケルト音楽などのやはりルーツミュージックの要素をロックに取り入れたその大胆なコンセプトでした。ヴァン・ヘイレンはその初期には、タッピングなどの新奏法によって注目された訳ですが、その本質はクラシックの素養からくる、それまで5音階中心だったロックのフレージングがダイアトニック的なアプローチをとった新しさだったとも言えます。
ジョアン・ジルベルトのボサノヴァ奏法もまた、サンバや古いショーロなどのリズムをギター単体で表現し、そしてそれをジャズの和音で奏でるという斬新なコンセプトから生まれたものでした。
新しい音楽とは
長くなりましたが何が言いたいのかといえば、つまり新しい音楽とは、それは常に「ルーツミュージックへの、新しい視点からの再構築である」と言えるのではないかと思います。0からは何も生まれないように、音楽もやはり土台としての素材があってこそ、新しい表現が生まれてくるのだと思います。
であるならその俎上に載せるべき素材、つまりルーツとなる音楽を学ぶことこそが、新しい音楽をクリエイトするための近道なのではないでしょうか。温故知新。ルーツから見つめ直すことが、あなたの新たなクリエイティビティの原動力になるに違いありませんし、そのためのお手伝いをできれば、こんなに嬉しいことはありません。
学ぶべきことはたくさんあり、大変ですが、焦らずゆっくり、一緒に学んでいきましょう。
nea Guitar School / 代表 nea(Shin Ehara) 講師のプロフィールはこちら