Donna Leeのテーマ(メロディ)について

Youtubeギター教材のテーマシリーズに、Donna LeeをUPしました。もう、チャーリーパーカー、というよりもジャズスタンダードの中でも1、2の人気を争う「覚えたいテーマメロディ」の曲だと思います。当然、うちの生徒さんの中でも練習してる人が多いです。
以前にも書きましたが、チャーリーパーカーなど、この時代(Bop黎明期)の曲は、「どの収録がオリジナル?」という問題が存在します。というのは、この時代はまだ、我々が考える、アーティスト<新曲を書く>→<アルバム制作>→<ライブで披露>、という流れになっていないからです。そもそも、このドナ・リーの録音は1947年ですが、そもそもいわゆるLPが開発されたのがちょうどこの1947年のこと。アーティストの活動の区切りがアルバム単位になっていくのは、もう少し後の時代のことです。

ですから、まだこの40年代は、アーティストは録音に関係なく、作曲し、それをライブで披露していた時代。そしてレコード会社の「録音したい」というその都度の意向に沿い、レコーディングしていた訳ですね。ですから、「初録音」といってももう何年も前から演奏されていて、徐々に変形し、だいぶ後になってから録音されたものなどは、いったい「どの時点が、その曲のオリジナルか」ということは非常に判別しづらいです。僕らの感覚と、この頃の時代は違うということです。

ですが、このSavoyの録音に際し、パーカーは「必要に迫られて作曲した」(Bird〜チャーリーパーカーの人生と音楽)/チャック・ヘディックス著)とあるように、このドナリーに関しては、「書き下ろしの新作」だったようです。また、この曲に関してはマイルス・デイビスが書いた、いや違う、など、さまざまな論争があるのも周知の通り。

となると、この曲に関してはこのSavoy録音をオリジナルと考えていいと思います。
ところが、にも関わらずこの曲のメロディは何パターンもあり、微細な違いを無視すれば、大まか、2つのヴァージョンが流布しています。1つは「Omni Book」のバージョン、もう一つは「Real Book」のバージョンです。特に相違が顕著なのは、21小節目の4音目(と6音目)が、「A」か「Ab」か、という所だと思います。オリジナルは「A」音です。パーカー本人はもちろん、大家でもある渡辺貞夫さんなんかもしっかり「A」でやってます。

ところが、アートペッパー(”Art Pepper+11”)やウイントン・マルサリス(”Live at the House of Tribes”)、そしてクリフォード・ブラウンなんかは「Ab」でやっています。他の人ならいざ知らず、ウイントンやクリフォードのような巨匠達が何も考えずにやっていたということはないと思いますから、違うのは知っているけれど、音楽的嗜好で敢えて「Ab」でやってる、と見るのが妥当でしょう。そして、(別に、統計を取った訳ではありませんが、)どっちかというと現在ではこの「Ab」の方が、一般的になっていると思います。

そんな訳で、動画ではOmini Book版、Real Book版、両方を弾いてみました。どちらで覚えましょう?悩ましいですね。僕も分かりません。笑(とりあえず僕はRBバージョンでライブでは弾いています)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次
閉じる