なつかシリーズの第58弾。今回は、プログレ・ロックの雄、YESの「I Would Have Waited Forever」を弾いてみました。この曲は、1991年にリリースされたアルバム『Union』に収録されてます。
『Union』はファンの間でも様々な意見が飛び交う問題作。当時のYESのメンバーはジョン・アンダーソン、クリス・スクワイア、トレヴァー・ラビン、トニー・ケイ、アラン・ホワイトでしたが、音楽性の相違からジョンが脱退し、旧メンバーであるビル・ブラッフォード、リック・ウェイクマン、スティーヴ・ハウに声をかけ、『アンダーソン・ブルーフォード・ウェイクマン・ハウ(ABWH)』というバンドを結成しました。つまり、この時期のYESは完全に二つのバンドに分裂していた訳です。それで僕も含め、当時のロックファンの間では「YES、この先一体どうするんだろう?」って、大きな話題になっていました。何せこの時期のYESは「ロンリー・ハート」の大成功で、本当に人気があったので。期待も大きかったんですよね。
アルバム『Union』が発表された後、8人のメンバーによるツアーも行われ、また、メンバー全員で演奏するPVも制作されました。メンバーの内心はともかく(インタビューなど読むと、色々あったようですが)、当時のファンとしてその映像を目にすることができたのは、もう興奮ものでした。なにせ、スティーブハウとトレバーラビンが、アランホワイトとビルブラが、一緒に演奏してる。アルバムも賛否両論ありますが、確かにメンバー構成はめちゃくちゃで統一性ないのですが、意外にサウンドはまとまってると思うんですよね。個人的には結構いいアルバムだと思ってます。
やはり注目したいのは、スティーブ・ハウのギターアプローチ。彼の演奏って本当に独特で。特に伴奏で、単音でカウンターライン(対旋律)のようなフレーズを弾くことが多いんですが、このスタイルが複雑な音楽のレイヤーを生み出し、イエスのカラーのかなりの部分を決定づけているんじゃないかと思います。彼は多くのロックギタリストの根底にあるブルースの要素があまりないことが、その個性の源泉かもしれません。しかもその土台がクラシックとカントリーという、また真逆なものが基盤になってるので、本当に不思議で個性的なアプローチだと感じます。ディストーション時に、ここは普通はベンドするよな、って思うところでもほとんどチョーキングしないんですよね。本当に独特なスタイル。
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