西大寺でライブ。ブルースシンガー、野毛洋子さんが来店

ブルースシンガー野毛洋子さんと共演

昨日は西大寺のHotStaffさんにて、ハヤシミホさんとライブでした。この日は、偶然、ブルースシンガーの野毛洋子さんがいらして、急遽1曲歌っていただいたり、また少しお話しすることもでき、とてもラッキーでした。

野毛さんは前々からお会いしたいと思っていた方。大学在学中にビクターからデビューし、ヒット曲「おっさん何するんや」は20万枚を超えるヒットを記録。その後、渡米しシカゴを拠点に活躍されていることはブルースファンならご存知の方も多いでしょう。この日はたまたま帰国されていて、近所でジャズライブがあるから、と聞き遊びに来てくれたとのこと。とても気さくな素敵な方でした。「いつからブルースに興味を持ったんですか?」と聞くと、なんと高校生の頃にエルモア・ジェームス(!)を聴いたのが出会いだったそうです。いくら当時の関西はブルースブームだったとはいえ、女子高生がエルモア・ジェームスを聴いてたというのは、ちょっと今じゃ信じられないですよね(笑)

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70年代の関西ブルース・ブーム

そういえば。最近はもう、関西で昔、ブルースの一大ムーブメントがあったことを知らない人が多いんじゃないでしょうか。うちの生徒さんなんかに聞いても、「そんなの、あったんですか!」と驚く人が多い。でももはや50年も前のことなので無理もないですよね。(そう偉そうに語る僕にしても当時はまだ5〜6歳で、もちろんリアルタイムでは知りません)

71年にBB. Kingが初来日するのですが、当時のことをあれこれ調べるとこの影響がかなり大きかったようです。関西でブルースは盛り上がり、京都や大阪を中心にブルースシーンが形成されました。75年頃から「ウエスト・ロード・ブルース・バンド」や「憂歌団」、「サウス・トゥ・サウス」といったグループが次々とデビューし、京都や大阪を中心にブラック・ミュージックのムーブメントが広がります。ほんと、今じゃ考えられないですけどね。インターネットその他で地域性がすっかり失われた現代では、こういったことは今後もないと思います。

ましてや僕が関西に越してきたのは2007年なので、当然すでに大阪にはブルースブームの跡形もありません。でも京都だと、当時ムーブメントの中心だったライブハウス「拾得」や「磔磔」はまだ営業しているようなので、一度訪れてみたいと思っています。

そうそう。一番悔やまれるのは、生の塩次伸二さんのプレイを見られなかったこと。塩次さんはウエスト・ロード・ブルース・バンドのギタリスト。僕は日本のブルースギターの中で、彼が一番好きかもしれません。2007年に僕が大阪に越してきた時、塩次さんはまだご存命で、しかもこの阿波座のすぐ近く、本町の「ビートルズ」という店(このお店は今は閉店)で月に一度セッションを開催されてました。それで、行こう、行こう、と思っていたのですが、「今日行こうかな、、でも毎月やってるし、まぁ来月でもいいか」なんて悠長なこと言ってる間に、ついタイミングを逃してしまい、そうこうしているうちに、翌08年に塩次さんは亡くなってしまいました。ほんと、馬鹿ですよね、自転車で行ける距離だったのに(涙)。これには本当に後悔。「いつでも行ける」なんてのんびり考えてるのは大間違いで、どんなことでも「今だ」と思った時に行動しなきゃですね。生前塩次さんとよく一緒にプレイしていたドラムのLarry Ransomeとは友達なので、「塩次さんのギターって、どんな感じだった?」とよく聞いたりします。塩次さんの動画はYoutubeにいくつか残っているので、ぜひ聞いてみてください。いやいや、絶対聞いてほしいので、動画リンク貼ってしまおう(笑)

いやぁ、かっこいい。こんなブルース弾きたい。頑張ろう(笑)
それはともかく、しかし今回の野毛さんとの出会いのように、全く意図しない偶然もあるもので、人との出会いって本当に不思議です。野毛さんに1曲シットインをお願いし「Gee Baby Ain’t I Good to You」を共演。当然ながら、素晴らしい歌でした。お越しいただいた皆様、ありがとうございました。僕にとっても貴重な経験となった一日でした。

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