ラジオ。yanokamiの2nd「遠くは近い」

ラジオyanokami

今日はラジオの日で、奈良のならどっとFMさんへ。今回かけたのはyanokamiの2nd「遠くは近い」より、Ruby TuesdayとYes Yes Yesの2曲。この「yanokami」は矢野顕子さんと、レイ・ハラカミさんのユニット。矢野さんの方はもう説明不要でしょう。レイ・ハラカミさんはテクノ系のアーティスト、アレンジャー。UAやサカナクション、平井堅のリミックスなどをやってる人。僕は最初に知ったのはUAの「閃光」のアレンジでした。その後、彼が全ての音源をSC88proとEZ Visionだけで作ってる、というのを聞いて、驚きました(どちらも90年代の古い機材です)。

この、SC88(ローランドの音源)と、Opcode社のVisionというシーケンスソフトは、僕にとっても物凄く思い入れのある組み合わせで。まずSC88というのは、90年代当時、カラオケMIDI制作に必須だった機材なんですよね。カラオケの実機に、内蔵されていた訳です。だからもう当時は1年中SC88をいじくってました。そして、Vision。

90年代のシーケンスソフトといえば、PerformerとVision、というのが二大人気ソフトで、ややそれより落ちてCubaseやLogic(当時はまだLogicの前の、Notator、と呼んでいた時代かも)もありましたが、たいていのプロのアレンジャーや打ち込み屋はPerformer、Vision、のどちらかを使っていました。そして僕はVision派。Visionは当時から、ピアノロール画面の操作性が抜群で、今でもどのDAWソフトも、ピアノロール画面は当時のVisionを参考に作られていると思います。そしてEZ VisionはVisionの廉価版とはいえ、EZ Visionにしかない機能があって。それは、ピアノロール画面の複数トラックを重ねられるという機能。これが凄くて、ヴォイシングとかをアレンジする時に、めちゃくちゃ素晴らしい機能だったんですよね。この機能が実装されているDAWは今でもないんじゃないでしょうか。最近のDAWには疎くて分からないのですが。

そんな訳で、もちろんハラカミさんのサウンドが好きなのはいうまでもないことですが、それ以外にSC88、そしてVision使いのハラカミさんには、同じ機材を使い倒していた人間として、物凄いシンパシーがある訳です。これ、説明するのがなかなか難しいんですが、例えば同じ型式のバイク乗り同士のシンパシーとか、そういうのにちょっと近いかも知れません。笑。とにかくアレンジャーにとってDAW(DTM)のアプリは、単なるアプリケーションというよりも、もはや楽器に近い感覚があります。そして前にもどこかで書きましたが、僕は20代後半あたりはほとんどギターの仕事はしてなくて、9割くらいは作曲とかアレンジの仕事ばかりだったんで、本当に一日中Macの画面と睨めっこしてた、そんな感じだったんです。

さらに加えて、ハラカミさんは僕と同じ1970年生まれ。同い年なんですよね。だから彼が2011年に亡くなった時はとても残念で悲しかったです。とにかくこんなに色彩感覚のあるアレンジャーって、なかなかいないと思う。その彼と矢野顕子さんのユニット、yanokamiの2nd。そして曲がまたストーンズのカバー(Ruby Tuesday)とオフコースのカバー(Yes Yes Yes)というのも意外性で意表を突かれますよね。本当におすすめのアルバムです。興味ある方はぜひ聞いてみて下さい。

さて、ついでにライブ告知もさせて下さい。
11/6(金)は難波 Kentさんにて、NARUMI(vo)さんと、
11/7(土)は豊中バルにてSimone(vo)さんと、
11/8(日)は上本町 U6さんにて柴田コウメイ(pf)中本まゆこ(bs)光田臣(ds)さんと、ライブです。
お時間ある方は、是非m(_ _)m

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