パット・メセニー(Go) Get It

パットメセニーの「Trio 99 → 00」から、オープニングのブルースナンバーのテーマ部をアップしました。

パットメセニーは1980年の「80/81」、90年の「Question and Answer」など、10年ごとくらいに定期的にストレートアヘッドなジャズのアルバムを出すのですが、これは2000年に出した「Trio 99 → 00」というアルバムのオープニングナンバー。ベースのラリー・グレナディア、ドラマーのビル・スチュワートはどちらも現代ジャズ界で人気のリズムセクション。ラリーはブラッド・メルドーの右腕として有名で、メルドーのほとんどのリーダーアルバムに参加しています。ビル・スチュワートはラリー・ゴールディングス(Org)やピーター・バーンスタイン(g)のアルバムでも有名ですが、何といっても90年代〜現在まで、ジョン・スコフィールドのかなりの数のアルバムに参加していることで有名な人です。ジョンとパットの唯一の共演アルバム、「I Can See Your House from Here」にも参加していますから、この録音時にパットと最初に出会ったのかもしれません。

シンプルなブルース、とはいえ、、

楽曲的にはシンプルなブルースナンバー。に、テーマ部のチェンジは少し工夫されていて、4小節目のEb7はもちろんA7の裏コード。6小節目はIV7(D7)を4度進行させたもの。 SDMと捉えても構いません。注目点は、4〜6小節目のフレーズ。この3小節間のフレーズはただ同じ型を並行移動しているだけに見えますが、4小節目(Eb7)ではLyd Dominant、5、6小節目(D7、G7)ではMixo-Lydianの【m7-R-M2-p4-M2-M3-P5】という動きになっています。単体のフレーズとしては、7thから始まるミクソリディアンのよく見かけるリックですが、同じ音型に揃えられるので、速いテンポでフレージングする時にかなり有効なリックとなります。

お尻にキメくっついている、といった、よくあるパターンですが、2コーラス目にこのキメがもう3回(6小節)加えられています。リズムはシンプルですがこのテンポだとこれだけでもカッコよく聞こえます。全体的に運指もさほど難しくありません。ただ、とはいえテンポが速い(♩=300くらい)ので、なかなか難しいです。動画は、少しテンポ落として♩=260で弾きました。ブルースなので、ライブでもやりやすいと思います。ぜひ練習してレパートリーに加えてみてください^^

目次