ウィントン・マルサリス「スタンダード・タイムvol.1」

202404ラジオ

昨日は僕の毎月やっている番組の収録で、ならどっとFMさんへ。実は最近ネタが枯渇していて全くノーアイディア。うーん、と思い教室のCDの棚を眺めていて、「そうだ4月だ」ということで、安直にウィントン・マルサリスの「April In Paris」を。

ウイントン・マルサリスは、ジャズとクラシック音楽の両方で活躍するトランペット奏者/作曲家。父親のエリス・マルサリス、兄のブランフォード・マルサリスはじめ、このマルサリス家は多くのミュージシャンを生んだ音楽一家として有名です。このアルバム「Standard Time Vol.1」は、1987年にリリースされた作品です。当時は、今ではすっかり聞かれなくなった「新伝承派」という言葉で紹介されたりしていて(しかしなんて大仰なネーミングだろう笑)、大きな話題になっていました。ちょうど僕がジャズに興味を持ち出した頃に出たので、このアルバムはよく覚えています。

テーマ部のポリリズム

当時はほとんどジャズの知識がなく、正直ウイントンのことも、このアルバムの素晴らしさもよく分かりませんでした。ただ当時はテクニカル目のロックやプログレが好きだったので、この曲のリズムが面白いなと感じました(逆に言うと、この頃はフレーズの良さも、和声の良さも皆目分からず、リズムの面白さしか分からなかったということです(^^;)。この「April In Paris」のテーマ部は、ポリリズム(或いはグルーピング。グルーピングもポリリズムか?という議論はあるが、ここでは置き)で出来ているのですが、「なんじゃこれ?」という感じで、譜面に書き出してえらく苦労して解明した覚えがあります。簡単に譜面におこしてみました。

ウイントンのポリリズム

こんな感じなのですが。分かってみるとそれほど難しくなく、拍を2拍3連化し、それを4つづつ、グルーピングしていきます。すると、聴感上は2小節が3小節に、つまり、1.5倍のスピードにテンポアップしたように聞こえる、というもの。と、考え方は単純ですが、ただ実際弾いてみるとなると、なかなか難しいと思います。興味ある人はトライしてみてください(^^)

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