メロディックマイナー・スケールの5つのポジション

要望の多かったメロディックマイナースケールの5つのポジションの練習動画をUPしました。ジャズ、なかでもコンテンポラリー系を目指すとなれば、このメロディックマイナーの転回型は必須となるでしょう。ですがとても難しいです。うちの中級者〜上級者の生徒さんでも苦戦している方が多いです。ともかく、まずはこのスケールから生まれる転回型を整理してみましょう。

メロディック・マイナーを転回させてできる、7つのスケール
1)Melodic Minor
2)Dorian b2
3)Lydian #5(Lydian Augmented)
4)Lydian b7(Lydian Dominant)
5)Mixo-Lydian b6
6)Locrian nat2
7)Super Locrian(Alterd)

となります。これをいつものように<CAGED>のポジションで覚えていくのですが、そこで悩ましい問題があります。それは、このメロディックマイナーを
「マイナーからの変化型で捉えるのか、メジャーからの変化で捉えるのか?」
という問題です。「メロディックマイナー」と言うくらいですから、マイナーでしょう、ということなのですが、実はメロディックマイナーとナチュラルマイナーの変更音は「2音」。対してメジャースケールと比較するとその違いは「1音」。つまり、メジャースケールの方が共通音が多い、ということなのです。ですから、<CAGED>の対応ポジションもいずれか、2通り考えられますし、また、転回型を覚えるにしても、常に混乱が付きまといます。例えば、Aナチュラルマイナースケールを4度から転回するとD Dorianですが、Aメロディックマイナーの4度からの転回型はD Lydianb7になってしまいます。つまり基本的に、メロディックマイナーの転回型の名称はメジャースケールの転回型とリンクしています。2番目はドリアン→ドリアンb2、5番目はミクソリディアン→ミクソリティアンb6、といった具合にです。
ですが、また6番目になるとエオリアンではなく、「ロクリアン nat2」と呼ばれたりします。なんともややこしい話です(ですから、稀にこの6番目のスケールはAeorian b5と表記しているジャズ教本もあります。)。ギターで弾くのも難しいし、スケール名も難しい。ですが覚えるとよりコンテンポラリーなフレージングやコードが自在に弾けるようになることも確かです。また、これらから生まれるコードも複雑で難しいものばかりです。またレッスンで、また動画で、おいおい解説していきたいと思っています。まずはこの5つのポジションを、ゆっくりなテンポで構いませんから、弾いて少しづつ慣れていきましょう。

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